『爛漫ドレスコードレス1』

きもの本感想

『爛漫ドレスコードレス』は、着物を自由に楽しむ漫画です。そして、読むと着物が着たくなるのです。

ふたりの女性が着物を自由に楽しむ『爛漫ドレスコードレス』は大人の私が読んでも楽しい着物漫画です。着物警察や呉服業界の「いけず」にもめげず、好きな着物コーデを楽しむ姿がかわいらしい。

漫画に出てくるおしゃれな着物コーディネートは、実際に着てみたくなるものばかりです。

『爛漫ドレスコードレス1』あらすじ

撫子は店先で珍しいチンアナゴの帯に一目惚れ。同時に合わせた浴衣も購入。浴衣で花火大会に行くため独学で着付けを練習。

しかし、慣れない下駄で足はズルむけ、涼しげに見えて暑い浴衣に心も折れそうに…。

そんな時、優しく声をかけてくれたのが響さんだった。響さんは撫子のチンアナゴ帯と縦枠模様を波に見立てたセンスを褒め、着崩れを直してくれた。

それがきっかけとなり、ふたりは着物友達になる。が、実は響さんの正体は着物好きの「警察」だった…!

ふたりは上級者の嫌味や法外な値で売りつける呉服屋など、トラブルに会いながらも、自分たちの「かわいい」着物コーデを楽しんでいく。

呉服屋のお家芸・強引商法

撫子が何気なく覗いた呉服店。そこでは彼女が「素人」とみると、高い襦袢を売り込みます。

まず、試着させ、褒め、「お金がない」というとローンを組ませようとします。イケメン店員・誠次郎に「どれもお似合いなので、つい…」としょげられると、人のいい撫子は高い襦袢をローンでお買い上げ…。

全部の呉服屋さんがそうとは言いませんが、たいていの呉服屋の売り方はこんな感じです。

洋服でも店員が強引なことはありますが、呉服屋はさらに輪をかけて強引です。必ず「ローンもありますよ」と言ってきます。そして、小物しか買わないとなると、店員の顔がたちまちチベットスナギツネみたいになります。(これ本当!)

失礼すぎる着物販売員、詳しくはこちら

着物を選ぶ理由?「そんなのかわいいからですよ!」

このセリフにはシビれました。

呉服屋の跡取り誠次郎に「知識無しで着られる洋服があるのに、何故わざわざ和装を選ぶのか」と聞かれ、撫子が答えたセリフです。

そうなんです、そうなんですよ。着物を着る理由ってそんなシンプルな理由なんです。着物世界はルールが厳しいし、着物警察から厳しい追求を受けることもある。

なのに、なんで着るかって言われたら、そんな苦労をいとわないかわいさと楽しさがあるからなんです。

爛漫着物ドレスコード「レス」

着物はきっちりと着なければならない。実はそんなルールは戦後になってからです。戦前や大正時代の着物はもっとゆったりと、悪く言えばだらしなく着ていましたから。

 『アンティーク着物万華鏡 』は大正時代の和洋折衷コーデや、帯板なしのゆったり着付けが紹介されています。

私は、冠婚葬祭などではルールを守るべきだけど、ふだんのお出かけは自由に楽しんでいいのでは、と考えています。

主人公のふたりには、今後もいろいろな困難が待ち構えているのかもしれません。でもこれからも「ドレスコードレス」を楽しんでいってほしい。と、着物おばさんは思うのでした。