七緒という着物雑誌で、映画着物の特集がありました。
特集では、モノクロから現代までの「映画着物」を、そのスタイリングとともに紹介しています。
映画着物のスタイリング
昔の昭和映画は、殆どがモノクロです。そのため、色は想像するしか無いのです。しかし、スタイリストさんが選んだ着物は、どれも美しく、色鮮やかで映画にぴったり。
市川崑監督のモノクロ映画『黒い十人の女』では、当時のモノクロ画面に映えるように、登場人物に合わせて濃淡の違う着物を対照的に選んでいるそうです。さすが。
豪華な着物解説者たち
コラムも豪華で、漫画家の安野モヨコさんや、着物研究家のシーラ・クリフ先生などが映画の着物について解説しています。
取り上げる作品も多種多様で、エロティックで幻想的な『夢二』や、極道映画の『修羅雪姫』、昭和初期を描いた『小さいおうち』まで、幅広く映画着物とスタイリングを取り上げています。
どれも、(着物目当てで)見てみたくなる映画ばかり。その中でも市川雷蔵主演の『ぼんち』は解説で「見て楽しむ着物映画」と評されているので、ぜひとも見たい!
登場人物を象徴する着こなし
登場人物たちが身につける着物は、性格やその時の思いを表しています。特に注目されるのが着物からちらりと見える「衿」です。
白く、衿の幅も短めな「衿」は、しっかりものの女性を象徴します。また、花柳界では衿がピシッとしている女性は身持ちの固さを表しています。
逆に衿がだらしない女性は、男性にもだらしないことが多いのです。
このように、衿ひとつでもその人物を表現できる着物って、奥深い衣装だなと思うのです。
着物目当てで映画鑑賞
以前見た古い映画の中には、女優さんたちのしぐさが美しく表現されています。
そして、今回の七緒の特集では、さらに映画着物の奥深さを知りました。今後は着物目当てで映画みたいと思います。