着付け教室と着付け動画、どちらがいいか。これは難しい問題です。どちらにもメリットとデメリットがありますから。
最近の若い人たちはまず、動画で見て着付けを練習するそうです。
そんなふうに、若い人たちが着物を気軽に楽しめるようになったのに、着付け教室って必要なのでしょうか?
身近なファッションとして浸透してきた着物
最近は観光地に行くと、着物姿の若い女性(最近では男性も)を多く見かけます。こうして着物姿の人が街にあふれるのは、着物好きとしてうれしく思います。
バリエーション豊富なきもの漫画の台頭
以前は数えるほどだった「漫画の中の着物」ですが、近頃では数多くの着物が漫画の中に登場します。有名な『鬼滅の刃』をはじめ、着物は漫画の様々なジャンルに登場するようになりました。
きもの雑誌「七緒」では「漫画の中の着物特集」が組まれました。それほど、着物は漫画の中で身近なファッションとなってきているようです。
そして、今の漫画家さんたちの着物の作画がすばらしいです。みなさん、それぞれに研究されていて、着物を美しく、楽しく描いてくださっています。
ひと昔前の漫画では、帯締め無しで帯が巻いてあるだけの、物理的にありえない着物描写などがまかり通っていましたが、今は着物の描き方本なども出回っていて、着物描写レベルが向上しています。
こちらの『緩慢ドレスコードレス』は、女の子がかわいい帯に出会い、着物の世界に目覚めていく物語です。
さまざまなトラブルに会うものの、相棒・響さんとともに、楽しい着物ファッションを目指します。
着付け動画VS着付け教室
着付けも今ではYou TubeやSNS等の動画で学ぶことができるようになりました。
私も着付けの動画をよく視聴するのですが、これがとても便利なのです。場合によっては着付け教室なんていらないんじゃないか、とすら思っています。
着付け教室ではほとんど教えてもらえない半幅帯のアレンジ結びの動画。動画だと停止したり、再生速度を落としたりして、わからないところを確認することができます。
着付け動画のメリット
- 着付け教室の強引な勧誘や、人間関係が避けられる
- わからない部分を、何度も見て覚えることができる
- 無料で学べるため、その分着物にお金をかけられる
- 自分の好きなもの(帯結びなど)だけ学べる
特にコロナ渦の現在では、「接触がない」というのも着付け動画の魅力だと思います。
また、着付け教室で数々のトラブルを経験した私としては、着付け教室をすすめたくはありません。
着付け動画のデメリット
- 動画だけではわからない部分がある
- 着付けの仕事に関わる資格が受けられない
- 着物や着付けに関する深い知識が学びにくい
着付け教室のメリット
しかし、もちろん着付け教室にもメリットはあります。強引な勧誘トラブルがない着付け教室なら、深く着物のことが学べ、資格を取ることも可能です。
- 振り袖などフォーマル着物の着付けが学べる
- 限定的だが、着付け師の資格が取得できる
- わからないところを教えてもらえる
まあ、私の場合はのメリットを得られないまま、詐欺まがいの勧誘と人間関係に苦しめられただけでしたけれど。
まとめ:結局のところ、着付け教室って必要?
ここまで、着付け教室と着付け動画のメリット・デメリットを書いてきました。
私の意見としては、
「ふだん着物の着付けなら動画、フォーマル着付けと資格取得なら着付け教室」
だと思っています。もちろんあくまで個人の感想ですが。
その一方で、着付けを学ぶ=着付け教室という公式はもう、現代では当てはまらなくなってきているのは確かだと思います。
「着付け教室・フォーマル至上主義」の方々は、若者たちの感性を認めて見守って欲しいものです。
そうしないと、このまま着物文化はすたれいってしまうのではないでしょうか…。