『推し着物』岡野く仔

きもの本感想

岡野く仔さんの着物漫画『推し着物』。着物を冠婚葬祭用ではなくファッションとしての可能性をが感じられてとても好きです。

前に読んだ『爛漫ドレスコードレス』と同じく、着物の自由に楽しむ姿が描かれていて、読むと着物がきたくなります。

『推し着物』あらすじ

かの子は昔、友だちに嗤われたことがトラウマで好きだった着物から遠ざかっていた。

しかし、電車で出会った着物姿の男性、久乃と出会い着物の楽しさに目覚めていく。久乃が店主をつとめる着物店で着付けを習い、着物の知識を学ぶかの子。

そして、その店にはさまざまな「推し着物」を着たい人々が集まってきて…。

着物のTPO

女装男子や和洋折衷コーデなど、今どきの着物ファッションを取り上げながらも、きちんと基本の着付けやTPOも描かれているのがいいですね。

振り袖と半幅帯組み合わせの例えが「ドレスにビーサン」というのも着物初心者にもわかりやすくて好きです。

私も和洋折衷コーデは好きですが、基本をちゃんと知っていないと、せっかくのコーデも「型なし」になってしまいますから。

それぞれの推し着物

『推し着物』には、着物が好きなキャラクターが登場します。正統派で着こなしたい人、体型を気にして着物を着れなかった人、女装男子など。

みんなそれぞれに悩みや好みが違っています。彼らは久乃さんとおばあさまの扇さんがその人に合わせたコーデや着物の選び方をアドバイスを受けることで自分なりの「推し」コーデを探すことができたのです。

こんな着物屋さんが実際にあったら楽しいだろうな。強引な売りつけがなく、親身になってくれるお店って少ないですから。

岡野く仔さんの『着物ちゃんとロリータちゃん』も着物が登場します。ロリータ・ファッションの女子と着物女子との友情とおしゃれの物語。こちらもおすすめです。

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