浴衣は着方以外にもいろいろ対策が必要です。特に「暑さ」と「寒さ」両方の寒暖差に悩まされることが多いので、しっかり対策していきましょう。
私は以前、浴衣で外出したら、暑気あたりと冷えから胃痛を起こしてひどい目に会いました。
浴衣は意外と暑い
浴衣は、はた目からはとても涼しそうに見えます。しかし、実際のところは浴衣は洋服よりも重ね着をしているため暑いのです。
- 洋服…下着+トップス+ボトムス
- 浴衣…下着+浴衣インナー(スリップ)+浴衣
浴衣はインナーを一枚余分に着ていますし、帯の部分にいたってはインナー++補正タオル+伊達締め+浴衣+帯の5重構造です。そのため暑いのです。
じゃあ、インナーを着なきゃよくね?という話になりますが、インナーが無いと、ひどく着崩れてしまうのです。

※こちらのイラストはリメイクやキャンディさんの無料イラストを使わせていただきました。
よく、浴衣の衿がガバガバになっている着付けの人を見かけますが、インナーである程度補正をしておかないと、時間が経つと着崩れてしまいます。(まあ、お直しをすればいいのですが…)
おまけに、浴衣は通常の着物と違い、着付けでは衿部分が詰まるため、襟足から風が入らないのでやっぱり暑いです。

そして、実は浴衣って「長袖」なんですよ。浴衣の袖は「口(くち)」と呼ばれるすき間があるものの、常に腕には一枚、布がかぶさっている状態です。真夏はこの袖が汗で腕に張りつくので、どうしても暑いです。
暑がりさんの浴衣対策
そんな、意外に暑い浴衣で少しでも涼をとるための対策を考えてみました。
浴衣の衿を抜く対策
浴衣の着付けを着物のように衿を抜く仕様にします。
- 浴衣の衿の一部をほどき、衿芯を入れる
- たかはしの「うそつき衿」を使う
高い浴衣の場合、衿をほどくのに抵抗があるなら、2の「うそつき衿」を浴衣の下に装着すれば、おしゃれな着物風にも見えて一石二鳥です。

送風・冷却グッズを持ち歩く対策
最近では、携帯用の扇風機など、涼をとるグッズがいろいろ販売されているので、暑い時に利用しましょう。

扇子は優雅ですてきですが、真夏は扇子ごときでは熱波を防げません。ちなみに、正式な作法によると、扇子で直接顔を仰いではいけなくて、仰ぐときは袖口からそっと風を送るのだとか。
でも猛暑ではそんなことは言っていられません!いざとなったら作法より命が大事!フォーマルな着物以外は自由でいいと私は思います。
浴衣は意外と寒い
しかし、ここまで浴衣は暑いと書いてきましたが、実は浴衣って寒いんです。例えば、猛暑の屋外から屋内の施設やカフェで涼んだとします。
話に夢中になって30分、1時間と経つと「あれ?なんか寒い!」となるのです。浴衣は素足に下駄を履くので、まず足先が冷えてきます。

そして、本来、風を通すための袖口や襟元から冷たい空気が入り込みます。
浴衣は冷え対策の「三つの首」と言われる首、手首、足首すべてが開いている状態ですから、屋外はともかく、涼しい屋内に長時間滞在すると冷えや体調不良の原因に…。
寒がりさんの浴衣対策
靴下・足袋で対策
裸足で冷えてしまう足首には、靴下を履いて温めましょう。下駄の靴ずれ対策にもなるので一石二鳥です。ストレッチ足袋なら靴下のように気軽に履けるので、こちらもおすすめ。
浴衣に合わせてもかわいいです。
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ストール・手ぬぐいで対策
大椎(だいつい)という首のツボは、温めると寒気を防ぐそうなので、寒気を感じたらストールなどで首の後ろを覆うといいですよ。ストールが無理なら、手ぬぐいでもOKです。
手ぬぐいは汗を拭いたり、縛って簡易バッグにしたりと、便利なので一枚入れておくといいですよ。
アームカバーで対策
そして、案外寒いのが手首です。浴衣の袖は手首が露出してしまうし、すき間が多いので寒いときは不便。アームカバーがあれば日焼け対策にもなります。
まとめ
浴衣は涼し気に見えますが、実は暑さにも寒さにも弱いのです。寒暖差で体調を崩すこともあるので、体温を調節できるグッズを準備して、夏の浴衣のお出かけを楽しんでください。